FAXで届く書類を、アセスメントシートへ自動で転記するツール
FAXで届く主治医意見書・認定情報・認定調査票を2種類のAIで読み取り、Excelのアセスメントシート(フェイスシートを含む)へ自動で転記するツールを開発しました。使い慣れたExcelのまま、ボタン操作だけで使えます。
ご相談の内容
鹿児島市の居宅介護支援事業所では、要介護認定に関わる書類(主治医意見書・認定情報・認定調査票)がFAXで届きます。ケアマネジャーの皆さんは、その内容を読み取り、事業所で使っているExcelのアセスメントシート(フェイスシートを含む)へ、1件ずつ手で書き写していました。
- 書類が届くたびに発生する、書き写しの手間
- 手作業による転記ミスの心配
- 「DXを進めたいが、何から始めればよいか分からない」という悩み
最初にしたこと:作らなくて済む方法を探す
いきなりツールを作るのではなく、まず事業所でお使いの介護ソフトの機能を、実際の画面で確かめました。今ある仕組みで解決できるなら、それが一番お客様の負担が少ないからです。
そのうえで事業所の皆さんと話し合い、毎日使い慣れているExcelのアセスメントシートはそのまま活かし、「手で書き写す作業」だけをなくすことにしました。職員の皆さんに効率化を実感してもらう、DXの第一歩という位置づけです。

つくったもの
- FAXの書類をPDF(スマートフォンで撮った写真でも可)にして、2種類のAIが同時に読み取る
- 読み取った内容を、Excelのアセスメントシートに自動で書き込み、利用者ごとに保存する
- これまで手で書き写していた項目を、アセスメントシートの各欄へまとめて転記する(家族構成や相談内容など、聞き取りで書く欄は従来どおり手入力)
- 使い慣れたExcelのままなので、新しいソフトの操作を覚える必要がない

2種類のAIで、読み間違いに気づく
書類の読み取りは、2種類のAIがそれぞれ別々に行います。2つの結果を突き合わせ、一致しなかった項目、AIが読み取りに自信を持てなかった項目、書類どうしで食い違う内容(認定の有効期間と月数が合わないなど)をオレンジ色で知らせ、職員はその項目だけを確認する仕組みです。
1つのAIだけに頼るより読み間違いに気づきやすく、職員が目を通すべき場所も絞り込めます。介護の書類は個人の大切な情報なので、「AIに任せきりにしない」ことを前提に設計しました。

安心して使うための工夫
- 読み取り結果を職員が確かめるための「確認チェック表」
- 書類のどの欄が、シートのどこに入るかを示した「紐付け一覧表」
- 書類ごとに氏名や被保険者番号が違うときは警告を出し、別の方の書類が混ざるのを防ぐ
- どの値を採用したかを記録に残し、あとから確かめられるようにする
- 誰でも迷わず使えるように、操作マニュアルを用意
- AIの読み取りサービスは事業所の名義で契約し、データの管理を事業所の手元に置く
- 業務委託契約と秘密保持契約を結んだうえで、個人情報を扱う
進め方
- 書類の流れ、介護ソフト、パソコンの環境を確認
- 読み取る項目と、アセスメントシートの転記先を決定
- 試作したツールを事業所で動かして、打ち合わせ
- いただいたご意見をもとに修正し、遠隔操作で納品
導入後
書類の転記は、「読み取る」ボタンを押し(1〜2分)、オレンジ色の項目を確かめるだけになりました。
同じようなお困りごとはありませんか
FAXや紙の書類、Excelへの手入力など、毎日くり返している作業は、仕組みで減らせることがあります。新しいソフトを入れなくても、今の道具を活かして解決できる場合も少なくありません。
介護に限らず、業種を問わずご相談ください。システム開発について見る